ネックバンド型のワイヤレスイヤホンの企画とデザイン。
始まりは外部のデザイナーさんからの提案でした。有線イヤホン用のアクセサリとしてネックバンドのご提案をいただいたものがきっかけになっています。

まだ両耳がワイヤレス接続されるようなイヤホンが世の中に発売される前で、ワイヤレスイヤホン市場が拡大しつつも、まだまだ有線イヤホンに比べれば10%の市場規模みたいな時代でした。いわゆるアーリーアダプターみたいな方がお客さんな市場だったのですが、なんとかもっとユーザー層を拡大したいとか、当時のワイヤレスイヤホンの課題を解決したい、みたいなことを考えて企画を進めました。

詳細は端折りますが、ネックバンド型にすることによって、バッテリーや基板を収めるボックスを耳元からバンドに配置換えを行い、再生時間や操作性の向上を図ろうというのが企画の骨子です。加えて、再生時間という課題を解決できたら、新しいお客さんに届くんじゃないか?という期待を込めて、カジュアルなデザインに振りました。見たままですが、スニーカーのようなイメージでキャンバス生地風の素材を探したりしました。

現実問題として、生産委託先の技術的な限界もあり、材料や設計についてはやりきれない部分もありますが、当時入社したばかりの女の子が気に入ってくれていたので、最善は尽くせたのかなと思います。加えて、この商品前後から商品デザインの際に、事業の中期計画的なことも含めて企画化を行うようになりました。お偉方からの「なんか新しいことやれよ」みたいな無茶振りに社内外を巻き込んでいろんな実験ができたのは学びも多い経験でした。あとこの製品については音質がなんともまとまんなかったので、EQの設定とかも夜な夜なやってました。まあほんと、わかかったからか、なんでも首を突っ込んでたな、、と。
あと思い返せば、他のメーカーからネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンが登場するのってこの少し後とかなんです。結局そんなにカテゴリとしては大きくならなかったけど、新しくて面白いことをできたのは良いチャレンジでした。

パッケージデザインは他でもお世話になっていた大学の先輩に依頼。良い印象に纏まったと思います。箱の構造も横から製品が見えるようにしたり、工夫を凝らしました。

いい感じの製品写真がないことがわかりました。撮るか。