iPhoneからイヤホンジャックがなくなって久しいですが、
iPhoneからイヤホンジャックがなくなって早々に、
Lightning接続のヘッドホンアンプなるものを開発・商品化していました。
(Lightning接続はLogitecブランドで、USB接続のものはELECOMブランドで展開。

ネットでは「早すぎた」なんて言われてますが、
確かに早すぎたんだと思います。
だってほんとに、iPhoneからイヤホンジャックがなくなってすぐに商品化したんですもの。

Lightning接続が可能なヘッドホンアンプ自体は以前からありましたが、
接続が少々煩雑だったり、サイズが大きかったり、、、
いわゆる「普通にイヤホン使うくらいのノリで使えるモノ」が市場には皆無でした。
また、ヘッドホンアンプでありながら、
DACというデジタルをアナログに変換する機能も有しています。
当時、ちょうどハイレゾ云々が広まり出した頃でもあり、
「iPhoneでもハイレゾが聴ける」を謳い文句に企画を立ち上げました。
(というかLightning接続でイヤホンを使うために、
DACとアンプを積まざるを得ず、だったらハイレゾ対応にしようよ、
みたいなノリだったと思います。)

そんなワケで、盟友・大場さんの企画に乗っかり、デザイン、商品化を実現しました。
短期開発が命題でもあったので、基板などはODM先の提案をほぼ採用し、
電気設計を大きく変えない範囲でユーザービリティを検討し、
お客さんのイメージに合うような商品の外観を探りました。
スマートな形状も探りましたが、ちょっとゴリっとした外観の採用となりました。
個人的にはiPhoneに合わせてシュッとしたまとめ方もありだと思ったのですが、
市場評価を見た限り、これはこれで正解だったんだなと思っています。

幸運だったのは、短期で発売まで漕ぎつけるためには、金型を彫っている時間がなく、
筐体はアルミの切削+アルミのカット材で生産することが実現しました。
商品の価格や音への影響を考えても、まさかのアルミ切削がリーズナブルな方法だったのは、
当時ODM先とやり取りする中で非常に驚きました。
抜きテーパーとも、パーティングラインとも無縁の製品となり、
価格の割りに、なかなか良いモノになったと思います。

個人的には90度ごとにカリッと止まるクリップも良い提案だったと思います。
無理かなーとか思いつつ、しれっと提案したらそのまま通りました。

同時進行でもう少し安いラインナップも計画・デザインしていましたが、結局ボツになりました。
ただ、それがそのままODM先のブランドで販売されていたのは店頭で見つけて笑いました。

イヤホン周りが面白くなってきていたこともあり、
この商品のリリースを見届けることなく、退社してしまったのも思い出のひとつです。
そしてjustearに関わりたい!とソニーエンジニアリングに転職するのです。
写真はエレコム卒業後、justearと合わせて撮りました。
iPhoneのホームボタンが懐かしいですね。